6月18日に行われた評議員会および理事会において、2022-2024年期の理事会に選出されました。歴代理事長のお名前を拝見すると、その錚々たる顔ぶれに、思わず身が引き締まる思いです。私なりに微力を尽くしていく所存ですので応援のほどよろしくお願いいたします。
今回、理事長職を引き受けるにあたって、理事長の仕事とはなんであろうかと考えたところ、やはり学会の将来について万全の体制を敷いていくことこそ、その最も重要な使命であろうと思い至りました。以下は、本学会がかかえる課題とその解決策です。
短期的には、新型コロナについて再度新たな変異株の登場や、別の深刻な感染症などが発生した場合への備えを十分にしておく必要があります。特に研究大会用会場をキャンセルして、それをオンラインにする意思決定過程など、もっと機敏に対応できる態勢を築いておくことが肝要だと思われます。
次に、70周年記念大会に向けての準備です。本学会は2026年に設立70周年を迎えますが、その記念大会をどこで、どのような形態で行うか、またそれに必要とされる予算規模など、諸々のことをシミュレーションしていく必要があります。
中長期的課題も2つだけ挙げたいと思います。まず、本学会のさらなる国際化です。大矢根前理事長のもとで、いくつかのイニシアティブがとられました。たとえば、2021年の研究大会では、本学会の英文ジャーナルの投稿セミナーに加え、外部のジャーナルであるRIPEの投稿セミナーも開催されました。また、2022年3月に開催されたISA研究大会では、日本における国際関係論の現状を紹介するパネルが2つ組まれ、本学会会員が報告を行いました。しかし、本学会の国際性はまだ十分とはいえません。外国人会員の増加や彼らによる報告・討論の機会の増加、あるいは日本からのより一層の海外発信など、まだまだやれることはあるように思います。
最後に、少子化対策です。今後、諸学会は縮小を余儀なくされます。その際に、現状の活動レベルが維持可能なのか、まだ維持可能でないとすれば、どうすればよいか考えていく必要があるでしょう。
こうした諸課題を理事会・評議員会だけでなく、皆さんともに考えていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
一般財団法人日本国際政治学会 理事長(2022-24年)
飯田敬輔(東京大学)