6月22日に行われた評議員会および理事会において、2024-2026年期の理事長に選出されました。改めて本学会の歴代理事長のお名前を拝見すると、一アフリカ研究者に過ぎないものが、このような責務を全うできるだろうかとも考えたところですが、可能な限り尽力させていただければと考えております。

 今回、理事長職を引き受けるにあたって考えたのは、持続可能な学会運営の必要性と、国際政治学という学問領域の意義を改めて社会に発信する必要性です。

 長く理事としても本学会に関わってきましたが、コロナ禍の時期など運営の安定性を重視する必要などもあったことが背景にはあったと思いますが、ここ10年ほどある年齢層の研究者が理事長職に就く傾向が続いてきました。これからは学会運営には新陳代謝も必要と思われますので、できる限りより若い会員に学会運営に積極的に関わっていただくことを目指して参りたいと考えております。

 前期よりの継続課題ですが、今期最重要と考えられるのは、2026年に予定されている幕張メッセを会場とした70周年記念大会に向けての準備です。新理事会では、70周年記念大会事業担当の理事を配置し、その方々を中心として変容する国際社会を多角的な視座に立って検討する魅力的な企画を立てていただく予定にしております。会員の皆さんからも様々にアイディアなどをお寄せいただければと存じます。

 中長期的課題にも引き続き取り組みたいと思います。まず、本学会の国際化です。大矢根元理事長・飯田前理事長のもとで、いくつかのイニシアティブがとられました。たとえば、2021年の研究大会では、本学会の英文ジャーナルの投稿セミナーに加え、外部のジャーナルであるRIPEの投稿セミナーも開催されました。また、2022年、2023年、2024年のISA研究大会では、国際交流委員会の下でのパネル企画がなされ、本学会会員が報告を行いました。また、こうした取り組みの成果ともいえるかと思いますが、IRAPへの本学会員の投稿数が増加傾向にあるとの報告も受けております。とはいえ、本学会の国際化の余地はまだ残されていると思います。70周年の記念大会を今後の国際化の取り組みの一つの機会とする可能性もありそうです。

 最後に、これも継続課題ですが、少子化対策です。今後、諸学会は縮小を余儀なくされます。幸い、本学会の会員数は現状においては依然として2000人以上を維持しております。長期的には、会員数の減少は回避できないとも考えられますが、その際、本学会の活動をどのようにしていけばよいかを、より若い会員の皆さんとともに考えていく必要があると考えています。

 こうした諸課題を理事会・評議員会だけでなく、会員の皆さんともに考えていきたいと思っております。どうそよろしくお願いいたします。

一般財団法人日本国際政治学会 理事長(2024-26年)
 遠藤貢(東京大学)