【会員からの投稿】 講演会「核軍縮時代の拡大核抑止パラドックス」のお知らせ

◆講演者:池上 雅子
         (ストックホルム大学政治学部教授/安倍フェロー(2010年度))
◆タイトル:「核軍縮時代の拡大核抑止パラドックス」

◆日時:2013年2月14日(木) 午後6時~午後8時
◆会場:国際文化会館 西館4階 セミナー404室
        東京都港区六本木5‐11‐16

  ※使用言語は日本語です。参加無料。

 米国の核戦略は、2009年オバマ大統領のプラハ演説、2010年「核態勢見直し(Nuclear Posture Review)」、また同年米ロ核軍縮条約で、核兵器の役割を縮小する方針が明確化されました。これらは1992年の戦術核撤去、核搭載型トマホーク退役決定等、戦域レベルでの具体的措置を継続、発展させたものです。一方東アジアでは、北朝鮮は2度の核実験を経て事実上核兵器を保有し、中国の急速な軍拡はアジア太平洋における米国の覇権を揺るがす程になっています。
 池上教授は日本が中国・北朝鮮の多数の弾道ミサイルと長距離巡航ミサイルの射程内にあり、更に尖閣問題で日中関係が紛糾するなど、アジア全般で軍事的緊張が高まっていると現状を認識されています。こうした状況下、日韓両国では米国の拡大核抑止、いわゆる核の傘の有効性を不安視する声が近年高まり、拡大抑止の信頼性向上策として、欧州NATO型の核シェアリング、米戦術核の再配備、果ては自前の核武装論などが、少数意見とはいえ議論され始めています。核兵器の役割を縮小する米国の方針が、逆に日韓では核兵器体系の再強化志向をもたらすというパラドックスがある同教授は指摘しています。
 核拡散とミサイル脅威が増大する東アジアで核軍縮を進める米国の拡大核抑止を再検証し、このパラドックスの解決策を考察していきます。

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