日本国際政治学会の倫理綱領が下記のように制定されました。


一般財団法人日本国際政治学会倫理綱領

趣旨
 本学会は、一般財団法人としての定款第3条において「国際政治、国際政治史、地域研究その他の国際的諸問題などに関する学術的研究の推進、発表及び普及を図り、国際政治分野における学術研究交流の促進に寄与する」と謳っている。第4条は、この目的を達成するための事業として、以下のものを挙げる。

  1. 国際政治、国際政治史、地域研究その他の国際的諸問題などに関する学術の研究及び調査
  2. 機関誌など学術雑誌、書籍などの発行ならびにニューズレター、ホームページなどを通じた広報活動
  3. 研究大会、研究会及び講演会の開催
  4. 本会と目的を同じくする内外諸団体との交流
  5. その他本会の目的を達成するために必要な事業

 以上の学会の事業を行うにあたり、学会と会員の一人ひとりは、市民社会において当然に期待される法的・倫理的な規範を遵守することが求められるだけでなく、学術研究とその教育に携わる専門家が集う学会とその会員として、より高い水準の法的・倫理的な規範を遵守する義務を負っていると考えられる。
 以上の趣旨に基づき、会員として遵守すべき項目を以下に定める。

第1条
【公正と信頼の確保】会員は、自らの研究と教育および学会運営にあたって、公正を維持し、社会的な信頼を損なわないように努めなければならない。
第2条
【法令遵守】会員は、自らの研究と教育および学会運営にあたって、法令を遵守するとともに、誠実に行動しなければならない。
第3条
【プライバシーの保護と人権の尊重】会員は、自らの研究と教育および学会運営にあたって、社会的な影響を配慮し、関係する人々のプライバシーの保護と人権の尊重に努めなければならない。
第4条
【差別の禁止】会員は、思想信条・性別・性的指向・年齢・出自・国籍・宗教および民族的な背景・経歴・障がいの有無・家族状況などを理由として、個人および団体に差別的な取り扱いを行ってはならない。
第5条
【ハラスメントの禁止】会員は、セクシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメントなど、およそハラスメントにあたる行為を行ってはならない。
第6条
【著作権侵害の禁止】会員は、他者の研究のオリジナリティを尊重し、著作権などを侵害してはならない。
第7条
【剽窃・盗用、データのねつ造・改ざんの禁止】会員は、他者の研究成果を剽窃・盗用してはならない。また、研究の過程でデータのねつ造および改ざんをしてはならない。
第8条
【研究資金の適正な使用】会員は、他者より補助・委託された研究資金を適正に使用しなければならない。
第9条
【研究成果の公益性】会員は、研究の公益性と社会的責任を自覚し、研究成果の公表に努め、社会的な還元に努めなければならない。
第10条
【倫理委員会の設置】本綱領の目的を実現するため、日本国際政治学会倫理委員会を設置する。
第11条
【通報及び申立】本綱領に係る通報若しくは申立は倫理委員会に対して書面で行う。
2 通報若しくは申立があった場合、倫理委員会は適切な対応を理事会に提案し、理事会はそれに基づき本学会の対応を決定する。
第12条
【綱領の変更】本綱領の変更は、日本国際政治学会理事会の決議による。

付則 1.本綱領は、2010年11月1日より施行する。
付則 2.2014年12月14日より内容の一部を修正し、施行する。
付則 3.2021年6月5日より内容の一部を修正し、施行する。