JICA研究所 公開シンポジウム「武力紛争から国家建設へ」
◆日時 2011年3月10日(木)13:30-17:00
◆場所 JICA研究所 国際会議場
◆主催 JICA研究所
◆後援 人間の安全保障教育研究コンソーシアム
◆趣旨
21世紀に入って多くの紛争が収束に向かっている一方、アフリカやアジアには依然として、紛争に陥りやすいリスクを抱える不安定な地域や紛争後の国家再建が進まない地域があります。国際社会はこれらの状況に対して、紛争を終わらせるだけではなく、紛争の予防や紛争後の社会における安定した国家の建設に関与することが求められています。紛争予防や国家建設は、開発援助が取り組むべき重要な課題のひとつです。
JICA研究所は、紛争予防、紛争後の国家建設、紛争の引き金ともなり得るエスニシティと経済的不安定性の関係をテーマにした研究を行ってきました。これらの研究のこれまでの成果及び成果から導き出された政策的含意について広く意見交換を行うシンポジウムを開催します。
今回のシンポジウムでは、関連する3つの研究プロジェクト(「アフリカにおける暴力的紛争の予防」、「紛争影響国における国家建設」、「アフリカにおける民族の多様性と経済的不安定性」)の中間成果の報告を行います。
セッション1では、「アフリカにおける暴力的紛争の予防」研究の分析結果を共有し、紛争リスクを抱える国々における今後の事業展開への示唆を参加者と共に議論します。この研究では、紛争を生じさせる「構造的要因」、「政治プロセス」、「人々の意識」に着目して、社会の安定・不安定に繋がる仕組みをアフリカの事例で研究してきました。
セッション2は、治安関連分野改革(SSR)、武装解除・動員解除・再統合(DDR)、移行期正義(Transitional Justice)に焦点を当てた「紛争影響国における国家建設」研究と、民族が多様な社会における政治的・経済的な不安定性について、そのメカニズムや因果関係を学際的なアプローチで解明する「アフリカにおける民族の多様性と経済的不安定性」研究の成果発表を中心とします。
「武力紛争から国家建設」のテーマのもとに3研究の成果を合わせて報告することにより、より包括的かつ長期的視野に立った紛争リスクへの対応のあり方について探っていきたいと考えています。
◆プログラム
13:30‐13:40 開会あいさつ:恒川惠市(JICA研究所所長)
◇セッション1 武力紛争予防と国家建設-水平的不平等の視点からの比較研究-
13:40‐14:00 南アフリカとジンバブエにおける不平等と紛争予防
峯陽一(JICA研究所客員研究員、同志社大学教授)
14:00‐14:10 質疑応答
14:10‐14:30 ルワンダとブルンジにおける紛争と国家建設
武内進一(JICA研究所上席研究員)
14:30‐14:40 質疑応答
14:40‐15:00 意識調査からみる大衆レベルでの紛争の認識
三上了(JICA研究所研究員)
15:00‐15:10 質疑応答
15:10‐15:20 休憩
◇セッション2 脆弱な状況での国家建設が抱える課題
15:20‐15:40 治安関連分野の改革における課題:ボスニア・ヘルツェゴビナを中心に
橋本敬市(JICA研究所特任研究員、JICA国際協力専門員)
15:40‐15:50 質疑応答
15:50‐16:10 紛争再発と和解の重要性:アフガニスタンの経験から
東大作(JICA研究所特別研究員、東京大学大学院准教授、
元国連アフガニスタン支援ミッション政務官)
16:10‐16:20 質疑応答
16:20‐16:40 流動するエスニシティと国家:ケニアの開発経験から
高橋基樹(神戸大学教授)
16:40‐16:50 質疑応答
16:50‐17:00 閉会あいさつ:加藤宏(JICA研究所副所長)
◆問い合わせ先:JICA研究所企画課 雑賀
E-mail: (★を@に置きかえてください)
電話: 03-3269-3374