【会員からの投稿】 シンポジウム「グローバル行政ネットワークと国際機関:地球と共生するためのガバナンスの在り方を模索して(2月15日)」開催(名古屋大学)のご案内

 昨今の、中国、インド、ブラジルなどの新興国の台頭、急速に進む経済のグローバル化、および企業やNGOといった新たなプレイヤーの登場により、国際政治構造は大きく変容しつつあります。さらに、国内に目を向けると、これまで戦後の国際政治秩序を支えてきた米国や欧州諸国において「自国ファースト」の傾向が強まっています。その結果、異なる世界観や利益を持つ多様なプレイヤーが国際政治を駆動するようになってきているだけでなく、グローバルな問題解決の鍵を握る主要国自身が今や内向きになっています。このような状況下で、はたして国際社会は、一致協力して気候変動、生物資源の枯渇、あるいはプラスティックによる海洋汚染といった地球規模の環境問題を解決できるのだろうか。そのような問題解決に必要な「協力」の力学には、未来はあるのか。これらの問いに答えるには、この「協力」の力学を支える、政府間組織、科学者集団および環境NGOなどから成るグローバルな行政ネットワークの潜在的統治能力を問わなければならないであろう。国際政治学の分野でも、グローバルな行政ネットワークを重視する分析枠組として、知識共同体論やオーケストレーション論といった分析視座が提示され、グローバルな課題解決に向けた国際行政や国際政治の在り方に関する研究が進展しています。そこで、本フォーラムでは、地球環境問題の解決に関与する「統治者」ネットワークに焦点を合わせて、関係分野の研究者、政府間組織での実務経験を持つ行政官、NGOの代表者、および科学者を糾合することを通じて、国際環境行政の実践と研究を融合するトランスディシプリナリーな対話を実現したい。

【日時】
令和2年2月15日(土)13:30~17:00
【場所】
名古屋大学・環境総合館・1階レクチャーホール
https://www.env.nagoya-u.ac.jp/access/index.html
【主催】
日本学術会議政治学委員会国際政治分科会
【共催】
名古屋大学環境学研究科、国立環境研究所

【プログラム】 司会進行 赤渕芳宏 名古屋大学環境学研究科准教授

13:30-13:45 挨拶
古城佳子(日本学術会議第一部会員、東京大学大学院総合文化研究科教授)
西澤泰彦 名古屋大学環境学研究科長

13:45-14:00 趣旨説明
山田高敬(日本学術会議連携会員、名古屋大学環境学研究科教授)

14:00-14:30
早水輝好(国立研究開発法人国立環境研究所環境リスク・健康研究センタープロジェクトアドバイザー)
「国際的な化学物質管理の枠組みの構築と海洋プラスチック問題の行方」

14:30-15:00
小西雅子(WWFジャパン 専門ディレクター[環境・エネルギー])
「パリ協定を中心とした国際的な気候変動対策の統治者ネットワークにおける非国家アクターの役割増大の事例」

15:00-15:10 休憩

15:10-15:40
香坂 玲 (名古屋大学環境学研究科教授)
「グローバル行政ネットワークと科学と政策の対話に向けた課題:IPBES・生物多様性条約の現場から 」

15:40-16:10
亀山康子(日本学術会議連携会員、国立環境研究所社会環境システム研究センター副センター長)
「国際政治学から見た気候変動問題」

16:10-16:20 休憩

16:20-17:10 ラウンドテーブル討論
司 会 野村 康 名古屋大学環境学研究科教授
討論者 登壇者および
谷川寛樹 名古屋大学環境学研究科教授
依田 憲 名古屋大学環境学研究科教授

☆お問い合わせ先 山田高敬(名古屋大学)
yamada_takahiro_mail
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