学会機関誌(IRAP・『国際政治』ほか)に関するお知らせ

 日本国際政治学会の機関誌について課題と対応を検討してまいりましたが、以下のことが3月7日の理事会で決定し、27日の評議員会において承認されましたので、お知らせいたします。

(1)IRAPの電子ジャーナル化

 本学会で刊行するInternational Relations of the Asia-Pacific(IRAP)について、会員には紙媒体で提供しておりましたが、2021年度(21巻1号)より電子ジャーナルとしてお届けします。デジタル化の趨勢や研究者の講読スタイルの変化、印刷・郵送費用の増大、地球環境への影響などを考慮したもので、今後は会員向けメーリング・リストを通じて、毎号の刊行時期とアクセスのためのURL等をご案内します。なお、電子ジャーナル化に伴ってIRAP編集・出版費用は25%削減され、これは別途ご案内する学生会員の会費削減の原資にあてます。

(2)『国際政治』独立論文の各特集号掲載

 『国際政治』に投稿された独立論文は、年度末に刊行する独立論文号への掲載を優先する必要から、投稿から掲載まで時間を要し、早期掲載の希望が寄せられておりました。その要望に応え、2021年度よりすべての独立論文を各特集号に掲載し、独立論文号の刊行を停止いたします。それに伴って、各特集号のページ数も掲載論文数に応じて拡大し、年間の総ページ数は従来通りとなります。なお、独立論文の査読・掲載条件等には、何ら変更はありません。

(3)『Newsletter』に「研究報告-国際政治学の先端」の投稿コーナーを新設

 『国際政治』は、完成度の高い論文を掲載するため、試論的な問題提起や新たな史料、地域調査データ、理論・分析方法の紹介などは、相対的に掲載されにくい場合がありました。他方で、国際政治学の研究が多様化しており、会員が新たな研究上の動向や素材にふれる機会として、後者の問題提起や紹介の重要性が増しております。またそれは、院生・若手会員が日頃の関心や検討の成果をいわば中間報告する場にもなりえます。
 そのような場として、毎年4回定期刊行している『Newsletter』に「研究報告-国際政治の先端」(仮)という投稿コーナーを設け、速報性や資料性、問題提起性をより重視して原稿を掲載いたします。原稿の形式は『国際政治』と同様で、査読を実施しますが、分量はよりコンパクトにし、『Newsletter』の2ページ(約9200字)、もしくは1・5ページ(約6900字)とします(『国際政治』と同じく依頼論文も掲載します)。詳細は、学会HPでご案内しますので、それをご覧ください。 

日本国際政治学会2020-22年期理事長 大矢根 聡