事務局からのお知らせ (新法人への移行について)
新法人への移行について
――評議員候補選挙の実施――
時下、会員の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
これまでニューズレターを通じて公益法人制度改革検討委員会からお知らせ申し上げてきた通り、2008年12月の新法人制度の全面施行に伴い、「財団法人日本国際政治学会」(現行寄附行為上の学会名称)は、特例民法法人(厳密にはそのうちの特例財団法人)となりました。さらに、2011年6月の理事会・評議員会において新法人移行後の定款が承認され、本学会は、「一般財団法人日本国際政治学会」(定款上の学会名称)への移行認可申請にむけて一歩前進致しました。
移行認可の基準を満たすには、基本的に、法人法に適合する定款と、適正な公益目的支出計画を備えなければなりません。そのために、学会は現在、天野事務所(天野秀明司法書士)、鈴木豊会計事務所の助力を得て、関連書類の準備を鋭意進めております。特に定款については学会運営の骨格を定めるものでありますから、現行の寄附行為下の学会運営が、新法人移行後の定款の下においてどうなるのかということについて、この機会に会員の皆様にご説明申し上げておきたいと考えます。
法人制度改革の主たる目的は法人の内部統治の強化であり、その眼目は、評議員会による理事会監督権限の拡大にあります。重要な変更点を整理した移行イメージ図を用意しましたのでご参照ください。変更の要点は図の下に7つの変更点として列挙したとおりです。基本的に、新法人においては評議員(任期4年)と理事(任期2年)についてはその前の期の評議員会がこれを選任することになります。新法人への移行期につきましては例外であり、移行後の最初の評議員は「最初の評議員選定委員会」(上述の6月の理事会・評議員会において、吉川元評議員、李鍾元評議員、山本吉宣監事、紿田英哉アークヒルズクラブ専務理事(元国際交流基金日米センター所長)、柳原正治九州大学教授(国際法学会理事長)の五名から構成される選定委員会の設置を承認)がこれを選任し、移行後の最初の理事は現評議員会がこれを選任することになります。以上は法人制度改革において認可の要件として求められていることであります。
ここで問題となるのは、新法人への移行認可要件を満たすだけでは、一般会員の意向を(評議員選挙を通じて)学会運営に反映させてきた本学会の現在の体制を維持することができないという点です。法人制度改革は、理事会を評議員会の監督下におくことは求めても、その評議員会が一般会員に説明責任を負うことまでは求めていないからです。
そこで日本国際政治学会は、一般会員の意向を学会運営に反映させる現在の体制を実質的に維持するために、これまで実施してきた評議員選挙にかえて評議員候補選挙を導入することに致しました。新法人移行後は、評議員候補者選任規程(上述の6月の理事会・評議員会において承認)に基づいて実施される評議員候補選挙の結果を踏まえて、評議員および理事の選任権限を持つ前評議員会(繰り返しになりますが、移行後の最初の評議員については「最初の評議員選定委員会」、移行後の最初の理事については現評議員会)が評議員・理事を選任することになります。
これまで現行寄附行為の下で、学会は、一定の資格要件を満たす会員(現行寄附行為の下では評議員選挙人)の間の互選によって選出された者(現行寄附行為の下では評議員)の中から、評議員および理事を選任して参りました。今回、上にご説明申し上げた評議員候補選挙制度を導入することによって、これまでのように会員が評議員を直接に選挙するのではございませんが、あくまでも会員が選出した評議員候補の中から、選任権限を持つ前期評議員会が次期評議員および次期理事を選任するという体制を整え、従来の学会運営方法を可能な限り踏襲しつつ法人制度改革に対応することに致しました。新法人移行後の定款の下でも、一般会員の意向に基づいた民主的な学会運営を大枠において維持できると考えております。
そこで、まずは新法人への移行に向けて本年の11月から12月にかけて移行後の評議員候補の選挙を実施する予定であることをお知らせ申し上げます。
会員の皆様には、新法人への移行に向けて、このような準備作業が進行中であることをご理解頂ければ幸いです。また、何かご疑問などがございましたら、事務局までお問い合わせくださいますようにお願い申し上げます。
2010‐2012年期 理事長 古城佳子
2010‐2012年期 事務局主任 石田 淳