理事会からのお知らせ(国立公文書館に関する要望と申し入れについて) (2019年10月4日)

「新たな国立公文書館の建設に関しての要望と申し入れ」について

時下、会員の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

2018~2020年期第8回理事会(2019年9月14日)は、現在基本的建設案が策定中の新国立公文書館に関して、外務省に対する要望と申し入れを理事長名で送付することを決議しました。

本学会は2012年1月に、前年の公文書管理法の施行を受け、理事会の決議を経て、古城佳子理事長名で、外交文書の保存・公開に関する要望書を外務省に提出し、外交文書の適切な保存・管理と積極的な公開、「30年公開原則」、外交文書のデジタル化とウェブ上での公開を求めた経緯があります。本学会はこの問題に引き続き重大な関心を寄せてきましたが、今回外交史料館の統合を含む新国立公文書館の建設計画が今年末までにまとめられる予定であるとの新聞報道に接し、理事会の承認を得て、以下のように、9月30日に理事長名で外務省に対し建設計画に関する学会の懸念を伝えると共に、意見交換の機会を要望し、申し入れを行いました。

今後、学会の要望と申し入れが具体化する場合には、理事・監事と分科会関係者と相談しながら、対応したいと存じます。皆様のご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2018~2020年期 理事長 佐々木 卓也
2018~2020年期 事務局主任 石川 卓

令和元年9月30日

外務大臣
 茂木 敏充 殿

一般財団法人日本国際政治学会
理事長  佐々木 卓也      

新たな国立公文書館の建設に関しての要望と申し入れ

 新たな国立公文書館の建設をめぐり、現在、外交文書の新館への集約や外交史料館の移設に関して検討が進められていると承知しています。本学会の国際政治・外交史を専攻する多くの会員は、新館の建設によって公文書全般をめぐる環境整備が飛躍的に進むことを大いに期待しています。
 他方、新館建設に伴う外交文書の扱いや外交史料館の在り方がどのようなものになるのかは、今後の研究の発展を左右する重大事であり、私達研究者にとって研究上の死活問題であるといっても過言ではありません。それにもかかわらず、関係する学会や専門家とのコミュニケーションがないままに事態が進展しかねないことに大きな懸念を抱いております。
 日本における外交文書の公開は、外務省と研究者との対話と協力を通じて、他省庁に先駆けて改善が図られてきたという経緯があります。外務省が有識者を交えた外交記録公開推進委員会を設け、戦後期の外交文書を積極的に公開していることを私たちは高く評価しています。
 また、平成23年の公文書管理法施行に際して、本学会は要望書「外交文書の保存と公開に新たな体制を」(平成24年1月31日)を外務大臣宛に提出し、諸外国とりわけ中国や韓国などの近隣諸国が外交文書の公開を進めている事情に鑑み、日本として外交文書の公開を加速することを求めました。歴史認識問題や過去に起因する諸問題が日本外交にとって重要な課題であり続けるなか、外交文書公開促進と活用の必要性はいっそう増しています。
 新たな国立公文書館の建設計画が進められているこの時機に、外交文書の扱いや外交史料館の在り方をより望ましいものへと近づけるために、専門家や学会の意見を参酌する議論の場を設定いただくように要望し、ここに申し入れを行う次第です。

(以上)